静岡の弁理士・弁護士 坂野史子のブログ

静岡市で活動している理系の弁理士 弁護士です。静岡のぞみ法律特許事務所 http://www.s-nozomilawpat.jp

フリーランスイラストレーターの法律問題・・似てると言われたときはどうするか

(相談)

依頼されてチラシを作りました。

参考にしてくれと言われたチラシを作った人から、似ていると言われました。

少し参考にしたところはあるけれど、パーツや色は大分変更していて、全体としては異なる印象になっていると思います。

どうすればよいでしょうか。

 

(相談結果)

既存のものを参考にすること自体が著作権違反になるわけではありません。

あくまで複製や翻案(本質的部分を直接感得できるか)にあたるかが問題とあります。

 

見せられたチラシは、確かに全体の構成(枠のとりかた等)が若干にていましたが、枠の中に描かれているパーツの絵はオリジナルですし、パーツの配置もそのままではありません。全体の雰囲気はなんとなく似ているといわれれば似ているという程度で、翻案とまでいえるものではありませんでした。

 

著作権侵害にあたる場合には権利者は差し止めや損害賠償請求ができることになります。

この場合は、チラシを配っている規模も小さく、似ているといってきた人も知り合いの知り合いであったため、まずは知り合いをとおしてどこが似ているのか等の主張内容を文書で整理をしてもらった上で、法律相談での弁護士の見解もふまえて回答をするという方針となりました。

 

このように似ている等と言われたからといって必ず侵害であるとは限りません。相手方の言い分をよく分析することが重要です。また法律専門家や知り合いに間にはいってもらって人間関係がこじれないように進行することも重要です。

 

他方、本当に複製や翻案であれば、仕様変更、回収等を考えることになりますが、この点については次回とします。