静岡の弁理士・弁護士 坂野史子のブログ

静岡市で活動している理系の弁理士 弁護士です。静岡のぞみ法律特許事務所 http://www.s-nozomilawpat.jp

商標登録は重要です。

商標登録についての相談で深刻なものに遭遇することがあります。

 

1件は数年使用してきた標章について,商標権者から警告書が来たというものです。

自分が使用してきた標章について商標登録出願はしていませんし,使用する前に特許情報プラットフォーム|J-PlatPatで他の人が商標登録をしていることも調べていませんでした。

数年使用してきて,ブランドが育ち,検索ワードとしても使用される頻度が高くなってきた頃に来た警告書です。

 

相談者の標章は商標登録出願の後から使用が開始されていました。

この場合,使用してきたというだけでは対抗する手段がありませんので,変更せざるを得ません。できるだけ類似と判断されないよう,また権利者とのもめ事をおさめることが目的なので,権利者が納得できる名称に変更せざるを得ません。

これまで育て来たブランドを捨てることになるのです。なんとも残念なことです。

 

 

その他の件としては,自分がオリジナルでデザインしてもらった標章を,第三者が勝手に商標登録出願をしたというものです。

もし自分が先に商標登録出願をしていれば,先に登録されているものと同一のものとして,知り合いの出願が登録されるはずはないものでした。

知り合いの出願については,出願時には情報提供,登録された後は異議申立,その後は無効審判という手段で登録を阻止するべくできるだけのことをすることになりますが,必ず阻止できるとは限りませんし,費用もかかります。

商標権と抵触する著作権等を有している場合には,対抗することはできますが(商標法29条),立証等面倒な問題は残ります。

 

いずれにしても,自分が使用するマーク等については,使用する前に特許情報プラットフォーム|J-PlatPatで調べ,出願や登録されているものがないかを調査しましょう。商標は商品・役務との関係で決まりますので,指定商品・役務との関係もよく見てください。

 

その上で,自分が使用するマーク等については,商標登録をすることをお勧めします。

なお,登録にあたっては審査を通過するための要件がありますので,出願を無駄にしないためにも専門家に相談して進めることをおすすめします。