会社にとって秘密にしておかなければならない情報とは何かの棚卸しの重要性
不正競争防止法では,営業秘密とは,1秘密管理性(アクセス制限等)2非公知性 3有用性が満たされるものをいうと定義されています(不正競争防止法2条6項)。
会社にとって他に漏れたら営業上大きな損失を被ることになるであろう情報は,例えばメーカーであれば市場における優位性を保つための技術情報であったりするでしょうし,その他商社等であれば顧客情報リスト等であるかもしれません。
これらの情報が退職者や取引先に漏れ,流用等されると,会社は大きな損失を被ります。
しかしながら,中小企業等では,そもそも何が会社にとって秘密にしておくべき情報なのかという棚卸しさえできていないということが殆どです。
主要製品の市場における競争力を基礎付ける根幹に関わる技術であるにもかかわらず,会社の誰でもがアクセスすることができる状態になっていたり,場合によっては秘密保持義務を課さずに会社外の人に見せてしまっているというような状況もみられます。
また,従業員についても,秘密にすべき旨の約束をさせておらず,転職の際に持ち出されたとしても気がつきもしないであろうことが往々にしてあるように見受けられます。
不正競争防止法において,営業秘密として保護されるためには,まず会社で何が秘密にすべき情報であるのかをきちんと棚卸しし,これを1秘密に管理し,2非公知性を維持するように管理しなければなりません。
是非,1度,会社の利益を生み出している情報は何か,という観点から,秘密とすべき情報の棚卸しとその管理方法の見直しをすることをおすすめします。