著作権法30条の4はフェアユースなのか
著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物 に表現された思想又は感情の享受を目的としない 場合には、その必要と認められる限度において、 いずれの方法によるかを問わず、利用することが できる。
利用方法は限定せず
ただし、著作権者の利益を不当に害する場合は この限りでない。
1 著作物利用に係る技術開発・実用化の試験
2 情報解析
3 1・2のほか、人の知覚による認識を伴わない
利用
いやーわかりにくいですね。
かねてから議論されてきたフェアユースについて規定したものではないかと言われていますが非利益享受について,人の知覚による認識を伴うものが除外されたら,議論されてきたフェアユースとしては意味ないんじゃないでしょうか。
1.利用の目的と性格(営利目的か非営利か等)
2.著作物の性質(高度な創作か事実に基づいたものか等)
3.利用された部分の量と重要性
4.著作物の潜在的価値に対する利用の及ぼす影響(著作者が損をするか等)
著作者が損をしなければ,著作物は自由に利用した方が文化の発展に資するということだと思います。著作権は登録制ではないので,登録なしでどんどん発生してしまいます。しかも著作者の死後50年という長期間にわたるもので,特許権等と同様,損害の額の推定規定も設けられており,非常に強大です。
判例の蓄積を待ちたいところですが,著作権法30条の4の1乃至3の例示が柔軟な適用を妨げるとすれば,なんとももったいないなあと思います。