静岡の弁理士・弁護士 坂野史子のブログ

静岡市で活動している理系の弁理士 弁護士です。静岡のぞみ法律特許事務所 http://www.s-nozomilawpat.jp

弁護士と親密に付き合うことのメリット

弁護士と顧問契約をすると、メールや電話で気軽に相談ができるし、企業の様子を日頃から観察してもらえるので、何か起こったときや起こる前兆があったときに適切に対処してもらえるというメリットがあります。

 

最近中小企業の代表者等と話していて思うのは、そもそも法律問題かどうかわからないことについてでも、弁護士に話して、論理的に整理をするだけで、問題が解決することがあるということです。

 

弁護士は法律について知っているだけではなく、物事を論理的に整理をするという訓練も受けているからです。

 

顧問契約をして弁護士と日頃からよく話をするようにしておくと、問題の整理が簡単にできるようになり、業務の効率化にも資するのではないかと思います。

 

この前、産業カウンセラーの資格も持つ社労士や司法書士、弁護士と話していましたが、組織の問題は法律問題も含めてほとんど人間関係の問題ですね。

 

日頃から、第三者を入れて客観的な評価ができるようにしておくことは有用だと思います。

知財事件で弁理士・弁護士について思うこと

特許・意匠・商標・不正競争防止法著作権法等の知財事件をやっていると、弁理士と協同して代理をしたり、相手方が弁護士であったり弁理士であったりします。

 

最近思うのは

弁理士の良いところは

・特許明細書や仕様書等の論点となり得る箇所の指摘が的確である

という点です。

私が今一緒に仕事をしている弁理士は,明細書や仕様書等の技術的な点を本当によく見ていて,指摘箇所が適切で本当に助かります。

相手方が弁理士の事件も,指摘箇所の筋はよいなあと思うことが多いです。

 

弁理士の苦手なんだろうなと思うところは、

・上述のような指摘箇所からどのように論理的に思考すると結論に結びつくのかの説明が希薄なので,ここは行間をこちらが埋めながら読まなければならない。事実→結論に至る過程をもう少し説明してほしいと思うことが多いです。

・侵害事件に関してレスポンスが極端に遅い。

・依頼者の説得・コントロールができず,依頼者が言ったことをそのまま伝えてくることがある。

という点です。

 

侵害事件では相手方の意図を読み解き戦略をたてて段取りを組み提案して交渉するということが必要となりますが,対特許庁との仕事がメインの弁理士にとっては場数がまだ足りないため,どうしても悩みすぎてレスポンスが遅くなったり,依頼者を説得しきれなかったりするんだろうな・・と思います。

 

弁護士は論理的思考や交渉にはなれていると思うのですが,

・そもそも知財のことがあまりわかっていない場合がある

・言葉遊びのようにして論理を展開してくるので,発明や意匠の本質に迫る議論ができず,交渉が空転することがある

ということがあります。

 

弁理士と弁護士が協同すれば知財事件をサポートする人のスキルはもっとあがっていくのになあと思います。

知財事件で弁理士・弁護士について思うこと

特許・意匠・商標・不正競争防止法著作権法等の知財事件をやっていると、弁理士と協同して代理をしたり、相手方が弁護士であったり弁理士であったりします。

 

最近思うのは

弁理士の良いところは

・特許明細書や仕様書等の論点となり得る箇所の指摘が的確である

という点です。

私が今一緒に仕事をしている弁理士は,明細書や仕様書等の技術的な点を本当によく見ていて,指摘箇所が適切で本当に助かります。

相手方が弁理士の事件も,指摘箇所の筋はよいなあと思うことが多いです。

 

弁理士の苦手なんだろうなと思うところは、

・上述のような指摘箇所からどのように論理的に思考すると結論に結びつくのかの説明が希薄なので,ここは行間をこちらが埋めながら読まなければならない。事実→結論に至る過程をもう少し説明してほしいと思うことが多いです。

・侵害事件に関してレスポンスが極端に遅い。

・依頼者の説得・コントロールができず,依頼者が言ったことをそのまま伝えてくることがある。

という点です。

 

侵害事件では相手方の意図を読み解き戦略をたてて段取りを組み提案して交渉するということが必要となりますが,対特許庁との仕事がメインの弁理士にとっては場数がまだ足りないため,どうしても悩みすぎてレスポンスが遅くなったり,依頼者を説得しきれなかったりするんだろうな・・と思います。

 

弁護士は論理的思考や交渉にはなれていると思うのですが,

・そもそも知財のことがあまりわかっていない場合がある

・言葉遊びのようにして論理を展開してくるので,発明や意匠の本質に迫る議論ができず,交渉が空転することがある

ということがあります。

 

弁理士と弁護士が協同すれば知財事件をサポートする人のスキルはもっとあがっていくのになあと思います。

複数の法律での保護を考えることの重要性

【技術】

技術的なものであれば,特許権の登録の可能性を考えるのが通常だと思います。しかしながら,結局物を解析してもわからないものであったり,製造方法の発明等の場合は,特許出願をして公開してしまうよりも,ノウハウとして秘密にしておいた方がよいということもあり得るのです。そうすると不正競争防止法の営業秘密の問題になりますので,秘密管理性・非公知性・有用性を満たすよう,アクセス制限等をして管理をする等の対応が必要となってきます。

また万が一他業者から特許権侵害を主張された場合に対応できるよう,先使用権が主張できるだけの記録を取っておくことも有用となります。

 

【物の形】

デザインであれば意匠権の登録の可能性があるでしょう。

登録していなくても,日本国内での発売から3年以内であれば,デッドコピー規制で差止等の権利行使の可能性があります。

また,著作物性が認められるような表現であれば,著作権法での保護の可能性もあります。

 

ブランドマークのように使用している立体のものであれば,立体商標として登録することができる可能性もあります。

また,周知・著名等の他の要件が必要になりますが,登録しなくても不正競争防止方の商品等表示での保護の可能性も出てきます。

 

【ブランドの名前やマーク】

上述のように商標登録をしておくことが有用です。

登録していなくても周知・著名等の要件を満たせば不正競争防止法の商品等表示での保護の可能性が出てきます。

 

自社の技術・デザイン・ブランド等については,まず権利を登録しておく必要があるのかどうかを検討してください。

仮に登録されていない場合に他社が真似をしていた場合にも著作権法不正競争防止法等で止めさせることができるか等法律を多面的に検討することが重要なのです。

複数の法律での保護を考えることの重要性

【技術】

技術的なものであれば,特許権の登録の可能性を考えるのが通常だと思います。しかしながら,結局物を解析してもわからないものであったり,製造方法の発明等の場合は,特許出願をして公開してしまうよりも,ノウハウとして秘密にしておいた方がよいということもあり得るのです。そうすると不正競争防止法の営業秘密の問題になりますので,秘密管理性・非公知性・有用性を満たすよう,アクセス制限等をして管理をする等の対応が必要となってきます。

また万が一他業者から特許権侵害を主張された場合に対応できるよう,先使用権が主張できるだけの記録を取っておくことも有用となります。

 

【物の形】

デザインであれば意匠権の登録の可能性があるでしょう。

登録しなければ,日本国内での発売から3年以内であれば,デッドコピー規制で差止等の権利行使の可能性があります。

また,著作物性が認められるような表現であれば,著作権法での保護の可能性もあります。

 

ブランドマークのように使用している立体のものであれば,立体商標として登録することができる可能性もあります。

また,周知・著名等の他の要件が必要になりますが,登録しなくても不正競争防止方の商品等表示での保護の可能性も出てきます。

 

【ブランドの名前やマーク】

上述のように商標登録をしておくことが有用です。

登録していなくても周知・著名等のを満たせば不正競争防止法の商品等表示での保護の可能性が出てきます。

 

自社の技術・デザイン・ブランド等については,まず権利を登録しておく必要があるのかどうかを検討してください。

仮に登録されていない場合に他社が真似をしていた場合にも著作権法不正競争防止法等で止めさせることができるか等法律を多面的に検討することが重要なのです。

契約書は自分で作る。相手方から提示されたものは必ず専門家のチェックを受ける。

ビジネスで何か約束をする際には契約書を作成してください。

契約書を作成していないと何を約束したのか証拠が残りませんので,後で約束に基づく請求や約束違反に基づく請求をすることができなくなってしまいます。

 

また,契約書はできるだけ自分で作りましょう。

契約書は立場によって条項をどのようにするか異なってきます。できるだけ自分で作成して,自分に有利な条項としておくことが必要です。できれば専門家に作成かチェックを依頼してください。

相手方から提示されたものを修正する際には,そもそも相手方にとって有利なものが提示されているので,そこから修正をしてもどうしても自分側には不利な条件になってしまいがちです。

 

また,相手方から提示された契約書は一言一句注意をして読んでください。

できれば専門家のチェックを受けてください。

 

私の経験したものでは,知的財産権に関する契約で,依頼者が権利者であるにも関わらず,その実施・使用等を大幅に制限する内容となっていたものがありました。相談を受けていなかったらそのまま契約を締結し,ビジネスが大幅に制限され,会社の将来にも関わる大問題になる可能性もあった案件です。

 

契約書の雛形もネット等で簡単に手に入りますが,そのまま使うことは自分の首を絞める可能性もありますので,注意が必要です。

不正競争防止法事件 控訴審で勝訴しました。

husei.hanrei.jp

 

リバースエンジニアリングは営業秘密の保護との関係で禁止されるのか?という事件でした。

地裁で3年くらいかかった事件で,知的財産権に関する事件では珍しく,4人も尋問したので大変でした。

 

リバースエンジニアリングは相当な時間がかかるとか特別なことがない限り,適法です。

メーカーの技術開発の根幹にかかわる部分でもあるので,控訴審は極めて常識的な判断をしてくれたと思います。