秘密保持契約
商品の開発をするときや作ってもらうとき,あるいは商品の取引をはじめるかどうかを検討する際等に,まだ世に出ていない情報を取引先に開示する必要が生じることがありますね。
商売を進めるために大事な技術的な情報や顧客情報等色々な秘密にしなければならない情報を開示しなければならない。
しかし特許や意匠は新しくなければ権利はとれません。
顧客情報等戦略上重要な情報が漏れると会社には大打撃となります。
そんなときには秘密保持契約を締結することが必須となります。
以下には,私が秘密保持契約をチェックするときの注意点を書きたいと思います。
なお,特許出願や意匠出願はできるだけ先にしておきましょう。
共同出願になるとそれぞれが自由に実施することができるのが原則で,その他の手続きも色々と面倒なことになるからです。
★目的を明確にする。
何のための秘密保持契約なのかを明確にしましょう。秘密の対象の特定にもかかわってきます。
★秘密情報はマル秘等で特定するように記載しましょう!
「目的に関する情報は全て秘密にする」というような規定をしていることが多いのですが,何を秘密にするのか不明確です。特に秘密情報を受け取る側のときは,どのような義務を負うのかを明確にするため,マル秘等の表示をしたもの等というように対象を明確にするようにしましょう。
情報を出す側のときは,秘密情報の範囲を広くして相手方に義務を負わせるほうがよいこともありますので,必ずしも特定しなくてもよいかもしれませんが,もめ事を防ぐという点では特定がおすすめかなと思います。
★目的外禁止条項は必須です!
秘密にしていても,秘密保持契約の目的以外のことに使用されて,勝手に商品を開発されてしまったら困ります。秘密情報を本件の目的以外に使用しないという約束をさせましょう。
★産業財産権(特許・意匠等)や著作権等知的財産権の帰属はしっかり!
秘密保持契約を結んで検討をする過程で生じる発明,デザイン,著作物の帰属をどうするか,出願する場合にどのような手続きにするかを決めておく必要があります。勝手に出願されたりしないように,しっかり決めておきましょう。
その他,開示する情報は目的の中で最小限にしましょう。
自分の技術やデザイン等大切な情報はしっかり守るという意識が重要です。